「山形 食文化にも親しむ旅  2022.10
    
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 東北各県にはそれぞれ美味しいものがあります。また各県を隔てる山稜を越える道は、冬季になると閉鎖されたり、夏季でも主要路線以外は通過困難な道が多く存在します。それらを楽しみながら回ってきました。
 スタートは胆沢ダムの畔で昼食をいただいてからになります。冬季閉鎖になる前に紅葉を楽しみながら「焼石栗駒ホットライン」経由で須川高原温泉へ向かい、奥羽山脈の分水嶺を越えます。
 金曜ですが多くの観光客や登山客が来ています。いつもの源泉近くで足湯をいただこうと行ってみたのですが、短時間でも我慢できないくらい高温なので諦めました。
 だいぶ前に屋外温水プールがあったところまでで引き返して、今回は別の温泉地を目指すこともあり、秋田側へ下りてゆきます。
 栗駒山登山道は、岩手側中腹の昭和湖まではガス濃度低下で通行可能となりましたが、その先も来年度は可能になってほしい所です。
 いつもだと秋田側へ下りた先の分岐を右に曲がって、小安峡方面へ向かうのですが、今回は山形方面を目指しますので、湯浜峠を越えて進みます。

 鳴子の周辺各県(山形・秋田・宮城・岩手)には大規模な火山地形が広がっていますが、今回のツアーではこれまで通ったことのなかった荒雄岳の周りを目指します。リンク先の地形図を参照ください。 荒雄岳周辺の赤色立体地図 で見られるように、カルデラの中にきれいな円形の火口丘である荒雄岳が見えます。 それを 荒雄岳周辺の標準地図 にある道路をたどります。
 こちらの分岐から未舗装路を荒雄岳のすそ野、江合川に向かって下りてゆきます。過去に国道を通過した際にここから出てきた車を見かけたことがあるのと、Googlemapのストリートビューで、未舗装全区間を眺めて、私の車(2×5mのキャンピングカー)でも通れそうだなと踏んでの挑戦です。
 特に通過困難な区間もなく、雑木林・ブナ林を通って、江合川に下りてゆくことが出来ました。ただし国見峠方面へは通行止めとなっているようです。出来れば荒湯地獄や鬼首キャンプ場のあたりなどにも行きたかったのですが、次回にします。
 次の経由目的地は花立峠です。鬼首スキー場の横を通って標高を上げてゆきますが、一面のゆるい傾斜のすすき野原と、向こうに牛が放たれていて、夕陽も傾きかけ、風情があります。
 峠は禿岳への登山口になっているらしく車が沢山止まっています。山形側へ下る道は狭い未舗装路であることの警告がありますが、基準内なので大丈夫そうです。
 国道以外で県境を越える峠は、多くの場合急勾配と屈曲が激しく、冬季は通行止めになります。また急斜面の崩落対策で法面に写真のような加工が施してある箇所がよく見られます。10月下旬時点で紅葉も見ごろでした。最上町の役場のあたりで国道47号に出て、ワイルド走行は完了です。
 この日のおふろはは瀬見温泉の喜至楼でいただきたかったのですが、時間制限で入れず、共同浴場にしました。足湯もあります。外来入浴(地元の人以外)は、現金コインを入れると自動ドアが開くようになっていて、湯守のおじさんは両替が必要な時にしてくれる役割のようです。
 喜至楼は、山形県内の旅館としては最古の建物ということで、入れないのは残念でしたが写真だけ撮ってきました。
 共同浴場が接する川沿いにも露天風呂らしき所があって、薬研の湯となっています。弁慶・義経の妻とのいわれが書いてあります。
 この日は新庄市の郊外にある河川広場で宿を取らせていただきました。夕刻から朝までなので貸し切りです。
 それにしても山形県内の公園状の施設では、どこでも芋煮会が出来るようなかまどと残り火の処理施設等が充実しています。
 この何日か後に東北中央自動車道の未開通区間が繋がって、新庄市まで首都圏から直結となったようですが、私たちは一般道経由で道の駅むらやまにやってきました。こちらの道の駅は上りと下りで駐車場が分かれていて、両方にトイレはあるのですが、商業施設等は下り車線だけにあります。歩道の連絡橋はあります。
 こちらで福島市からやってきた長女夫妻と合流して、食文化を巡る旅に出発します。 
 月山が見える距離なのですが、手前の葉山に遮られて見通せません。朝食は軽く食べてあります。
 一軒目は、最上川千本だんご です。奥の方まで駐車場がありますが、次々と車が入ってきます。
 大石田町の最上川に近い所にありますが、市内では昨年でしたでしょうか水害が記憶に新しいです。山形県南端の福島県境から流れてくる大河なので、水量も多く氾濫すると大変そうです。
  店先にも和風ベンチがあってそこでも食べられるのですが、店内休憩飲食スペースが棟続きの土蔵風の所にもあって、そこの御座敷でいただきます。
  メニューは、昔ながらの物から現代風の素材まで各種あります。4人で分け合って食べますので、色んなものに挑戦します。
 二軒目は銀山温泉の野川とうふやさんです。風情のある街並みですが、駐車場が不十分なのが難点です。宿泊施設用のものはあるのですが、昼の空いている時間帯がもったいないです。
 さて、30分の散策で銀山大滝などを回ります。出来れば鉱山跡も見たかったのですが急いでも息切れして間に合わないので諦めます。
 私たちが入ったすぐ後にたくさん購入客が並んでしまいましたが、うまく「豆腐てん」と「揚げ出し豆腐」をGETできました。
  店の前には足湯があって、そこで温まりながら美味しくいただきます。豆腐てんとは、形はトコロテンのようですが(下写真)、原料は豆腐です。
 三軒目はドライブイン 泉や さんです。泉やで検索すると見つかりますが、Googlemap上では、大滝ドライブインせいの となっているようです。
 芋煮とおでんをいただきます。 これも4人で分割して食べるので、各種の味を楽しめます。人気のあるお店だけあって味も満足です。
 こちらのお店の裏手にはきれいな渓流と滝があって、遊歩道伝いに近くまで行くこともできますが、4軒目への日程もあり、上から眺めるだけにしました。
 山形市の中心部にある文翔館にやってきました。およそ50年前に1年間ほど山形市に住んでいたことがあります。確かその当時は市内のメインストリートであった七日町通りの突き当りに山形県庁があって、バイパスの東側に新庁舎が建設・移転準備中だったような気がします。
 入り口に立派なゲートらしき建物がありましたが、こちらはトイレ棟のようです。館内にもトイレはあるのですが旧庁舎の改装によるものなのでそちらの負荷軽減の意味もありそうです。
 館内は見学できるようになっていて、ボランティアの方の案内で見て回ります。中庭や重厚な執務室・会議室があり、県内の産業や歴史解説の展示もあります。ですが山形県内の県政に係る全ての事務を所掌するにはやはり絶対的な面積が足りないように感じますので50年前に新築移転したものと思います。
 議場も普段は見学できるようですが、この日はイベントがあって通路から外に出て見学完了となりました。七日町通り方面に出てお目当てのお店に向かいます。
 BOTA coffeeに来ました。 店内は古い鉄筋コンクリート風のむき出しの内装で、天井の梁下面では鉄筋がむき出しになっているところがあったりします。これが装飾用に張り付けたものだとすれば構わないのですが、仮にこれが強度部材だとすると、他の部分で鉄骨等の補強を行っていなければ心配なレベルです。そんな心配より雰囲気がいいので、メニューから美味しそうなものを選びます。 
 私と長女は基本的にはコーヒーは飲まないのですが、お店にはもちろん他のメニューもあります。ちなみに普段はコーヒーは飲まないものの、だいぶ前に勤めていた会社の同僚がキューバ出張から持ち帰ったコーヒーを飲んだことがありますが、それは美味しく飲めました。ともあれ4人で限定販売をはじめとした各種食べ物をおいしくいただけました。
 山形の食文化を楽しむ旅はこれで完了ですが、最後に上山にあるCOSTCOで買い物をして長女夫妻とはお別れします。この日の宿は同市内にある城跡の駐車場です。車中泊MAPからの情報ですが、市街地に近いものの静かで立派なトイレがあるところです。前日の新庄市のお宿も同サイトからで、いろいろと穴場が載っていますのでお勧めです。逆に読者からの情報も反映・掲載してもらえるので利用のし甲斐があります。
 翌朝、霧が上がってゆく千歳山を眺めながら帰路につきました。今回も充実した(ちょっと変わった)旅でした。